ノーウッド手術開始！1/11ﾍﾟｰｼﾞ目
10月7日（火）
生後97日目。
さぁ！運命の日！！
パパは朝4時に起きて一仕事終わらせてから病院に行く準備をした。
6時45分にパパとママと心愛は家を出発し青波の居る病院へ向かった。
ＮＩＣＵ内に心愛は入れない、ママだけが中に入って大手術前の青波と戯れていた、パパは心愛と2人で廊下の窓からいつものようにママと青波を見たり廊下で遊んだりしていた。
途中、ママの母親が来てくれたので心愛を預けてパパも中に入って青波の体に触れてパワーを送った。
N先生をはじめ、多くの先生や看護師さん達が青波の元へ来てくれたが、いつもと違う朝の雰囲気に気づいたのかして青波は目を開けて起きていた。
体重も量り、体も拭いて、パパが選んで買った服に着せ替えて手術室へ行く準備完了！予定より10分遅れている。
パパとママも外に出されて青波はベッドに寝たまま内部通路から専用の出口を使って出てくる。途中で来てくれた
ママの叔母さんを含めて、パパ・ママ・心愛・ママの母親の5人で待ち構えていたら青波は来た！！
送り出しにはA原さんが指名されていたのでA原さんはもちろん、夜勤あけのI崎さんもが付いてきてくれた。
廊下で青波と心愛の初めての直接対面！計画通り心愛に青波の体を触れさせる役目をママがしてパパはビデオ撮影係りをして、叔母さんが写真を撮ってくれた。
ママに抱かれた心愛は、青波の手を握り握手をし、ママの言う通りに「あろは～、がんばって～」とか色々と青波に話しかけた！青波の頭をなでなでしながら「よしよし」もした。
パパは何度も心愛に「ハンドパワーやって～」って
リクエストしたが中々やってくれない、とうとう廊下からエレベーターホールまで移動してしまった。
「ハンドパワー」とは、心愛のギャグの一つで、パパが「ハンドパワー」と言うと「小さい前にならえ状にした両手と顔に力を入れてプルプル振るわせる」もので、本当にパワーを送っているような仕草になる。
エレベーターホールでもリクエストし、抱っこしていたママも心愛の両手が青波に向くように仕向けると心愛はやっと
「ハンドパワー」をしてくれた。
本当にパワーを送ったように見えた。
この一部始終はパパが撮影したＶＴＲに完全に収録されている。
青波は、予定より15分遅れの9：15に手術室に入った。。。さぁ 勝負だ！
パパとママは心愛を保育園に送りに行ってから再び病院へと戻った。待合室で待っていたが長い時間誰からも経過報告は無かった・・・
14時に初めて第一報が入った。「少し手間取って、現在は予定時間をオーバー少しオーバーしているらしい」が
順調に進んでいるらしい。
15時半の第二報では、動脈と肺動脈をつなぎ合わせる「ノーウッド手術」は終わったが、少し不具合が出ているので
不具合を修復中。・・・
「不具合」と聞くとビビるが、この手術はこうして不具合を見つけて修復していくの繰り返し
で完成させていく手術らしい。
17時に、待合室のドアが開いて看護師さんに呼びかけられた。よく聞き取れなかったのだが案内されるままにＩＣＵ内の部屋に行くとN垣先生が居て驚いた！！
先生は途中経過を報告してくれた。
ノーウッド手術は、当初に予定していた大動脈と肺動脈を縦に切り開いて合体させる方法から違う方法へと変更されていたが、成功している・・・・っが！！！
肺が機能していないらしくて重大問題になった！！
「この後に進める道は3つ、①YASUI手術をやってしまう、②人工心肺を装着して肺機能の回復を待つ。但しこの方法には
タイムリミットがあって、48時間で人工心肺をはずしての結果次第・・・③このまま終わる（＝死ぬ）
大きな手術の後に同ランクの手術をする事は自殺行為だと思ったので①は却下。
このまま何もせずに死なせるなんて出来ないので③も却下。
必然的に②を選択しなければならないので②をお願いした。
さぁ、48時間の恐怖の始まり！48時間後に人工心肺装置を外した時に肺が活動しなかったら・・
「死」
上手く活動してくれたら命を繋ぎとめて次のステップへと進める！！
ハラハラ・ドキドキの48時間だ。。。。。
N垣先生との打ち合わせが終わって、最終の処置を待っていたら時間がかなり経過した。
処置が終わったと報告を聞いてＩＣＵ内に入って青波の存在を確認し、又もや青波から元気をもらった。
術後は、顔も体もパンパンにむくれると聞いていたがそれほどではなかった、薬でやすらかに眠っていた。
サチュレーションは80～90を維持！血圧は100に近かった！すべての数値が術前より良い！！
肺だけが！肺だけが！肺が機能していてくれれば・・・・ああああぁ
ママは青波の前で初めて泣きじゃくっていた！！
ＩＣＵを出て帰路に着いたのは22：45だった・・・・
14時間45分の戦いの結末は持ち越された。
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