置き詩


mog
[ト京都][24歳][男性]
【2014.3.11】

見上げれば穏やかな空

足もとを濡らす細波

落ちていくオレンジ色に

涙の色が絡み付く



目に見えなくても眩しい景色

耳に届かなくても賑やかな音

セピアに飾られた僕らの暮らしは

傍らで鮮やかに息をしている



肌寒い風、3月の空

遠くで春雷を待つ涙ぐんだ雲

ならんだ写真の中にあの人を見つける

あの日の問いかけは未だ返らず

あの時の答えは未だ届かず


時は止まったまま動き続ける

嫌でも僕らの前に朝日は昇り

無理やりに背中を押されて僕は進む

今を歩ける慶びと

今を共に歩けない哀しみに

居すくまる僕を前へと追いやっていく





見上げれば穏やかな空

足もとを濡らす細波

落ちていく視線の向こうに

瓦礫の山が立ちふさがる



僕は前に進む

僕らは歩いてゆく

残された僕らは残されたままじゃいられない

時は不意にうねりを見せて

僕らの内側を波立たせる

僕らは

歩いてゆくんだ

ただ、

今だけは、

この鐘の音が鳴り止むまでは

時が足音を止めた今だけは

見上げて



あの風景を

あの音を

思い出を抱えたあの頃と変わらない空を・・・



波間に触れて一際輝くオレンジ色に

街の移ろいが呑みこまれていく


3/15^00:05[編集]
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mog
[26歳][男性]

黄金(こがね)色の夕空は

目の前を眩しく塗りつぶして

細長く伸びた無邪気な影は
笑いながら家路に向かう


取り残されたように

座りこんだままの僕ら

細めた視線はお互いも見つけられない


風の中ぶつかりあって
揺らぐ街の音色が
僕らの会話を遮って


後ろ手にしていた二人の予感を

目の前に突きつけてくるみたいだ



肩を寄せ合って
近づけば近づく程

僕らは遠く感じたね

ぎこちなく笑い合ったあの頃のほうが

素直に手の温もりを感じ合えたのに



黄金色は落ちていく


真っ黒な山並みに触れて
じわり染み込んで落ちていく


切なさに
塗りつぶされていた景色たちは

冷めゆくように

輝きを無くしてゆく


こんなに近くだったのに気付けなかったんだ

光の中に隠れていた君の頬には

涙が夕陽を追いかけた痕

きっとそうやって繰り返して僕ら

消えない傷を残してしまったのかな


当たり前だった明日を願った二人は

あんなに大切だった光をもう見つけられないから



「さよなら」

黄金色の月が彼方に登って

後ろ姿のシルエット

知らない誰かのような

遠い君に

ポツリ囁いた

6/20^01:23[編集]

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